ムラムラ村正の部屋

おっさんが模型を作ったりフィギュア眺めてはぁはぁいう場所です。

角楯カリン バニーver(原型:トモゴマフ様)の塗装見本を作製しました。

どうも、村正です。

お久しぶりです。

 

さて、今回はトモゴマフさん限界の角楯カリン バニーverの塗装見本を作成しました。

トモゴマフさんの塗装見本を担当させてもらうのはバニーアスナ、謎マキ、真白に引き続き4体目ですね。商業の三白眼ちゃん入れると5体目になります。

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撮影:difeet様

台座:いもむ様

 

トモゴマフさんの造形は流れるような曲線がいいですね。髪の毛や脚、お腹周りのラインは是非見て頂きたいです。

 

では塗装レシピのご紹介です。

○肌

GXクリアピンク:GXクリアオレンジ:クリアブルー=39:26:20

シャドウにディープクリアレッド

カリンの肌は赤みが強く暗い肌なので、調色は手間がかかりましたね。

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褐色は特に谷間とか塗れてない部分が目立つので、サフレスした後エナメルを筆塗りしてやると良いです。
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○髪の毛
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ベース色→

GX1:GX2:C67:CR2=40:3:2:1
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黒シャドウ→

GX1:GX2:C67:CR2=6:20:2:1
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毛先の紫→

GX1:GX2:C67:CR2=4:3:2:1
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・バニースーツ、ハイヒール

シルバーからのキャンディ塗装です。

クリアバイオレット・クリアブラックでグラデーション入れてます。

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・ヘイロー

C67パープルとCR2マゼンタを混ぜてマゼンタ寄りのパープルを使った後、クリアブラックでシャドウ。

ヘイローはうっすら透けるぐらいが好みなので、クリアカラーは使用しませんでした。
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○銃

ガンメタル→クリアブラックでシャドウ入れてます。

シアンの部分はGX1:GX122:CR1=10:10:1
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○面相

今回もデカール作成しました。

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カリンの目は機械的なのでハイライト入れませんでした。

ハイライト入れるのが好みの方は描き足すと良いでしょう。

 

ではでは。

大鳳ドレスVer.(原型:ボウズロケット様)の塗装見本を作製しました。

どうも、村正です。

半年ぶりの記事になってしまいました、ごめんちょ。

ワンフェス終わったわ〜〜と思ったらもう次のワンフェスですよ、楽しみですね。

 

さて、今回の記事はボウズロケットさん原型の大鳳です。

ボウズロケットさんのキットは5体目、見本作成は3体目ですね。お話をまた頂けて大変光栄であります。

ではまずはdifeetさんから提供頂いた写真からどうぞ。

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やっぱりボウズロケット✖️アズレンの破壊力は凄まじいぜぇ……

流石に5体も作ると原型師さんの特徴とかが見えてくるんですが、おっぱいにコレだけの表情をつけられるのは流石という感じですね。

 

 

では、作成にあたってのポイントを以下に記載しておきます。今回特に仮組において難しい部分はないので塗装のみの説明です。

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髪の毛

パーツが大きく、各パーツの色を合わせるのがちょっと難しいですが、印象を強く決める部分ですので頑張って塗りましょう。

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前髪部分は透け感を出すために毛先に少し色を載せてます。
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タイツ

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まずは普通に肌色を塗り、その後にタイツの繊維感と光沢感を出すためにやみふささん(@yamihusa1977)の高輝度パールを全体に塗ります。

その上からさらにクリアブラックでグラデーションをつけてタイツ塗装をします。

クリアブラックを塗って肉感足りないな〜って感じたら、その上から再度サフレスで肌を塗ればOKです。

 

レース部分はちまちまマスキングしても良いですが、エナメル拭き取りでやるとすごく楽です。

やり方は

①レースの濃い部分の色を塗る
②エナメルで肌色を吹く
③拭き取る
④薄く①の塗料を吹く

となってます。


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ドレス

まずブラックでシャドウを入れ、その後メタリックで塗装すれば、下地の色が透けてグラデーションがかかるという手法です。このやり方は伊勢の重鎮こと、ご都合主義の人(通称ごっつさん)から教わったやり方ですね。

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なぜこのやり方にしたかというと、今回メタリックの粒子感を強く残したかったのですが、メタリックの後にキャンディ塗装やシャドウを入れてしまうと、その分メタリックの粒子感が損なわれてしまいます。

なるべくメタリックの上に何も色を乗せたくなかったので、このやり方に行きつきました。とても面白いやり方ですね。

 

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エナメルの靴のイメージという事で、キャンディ塗装で仕上げてます。

 

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今回はセントルイスと並べることを想定して、セントルイス→白人、大鳳→日本人(こんなバインバインな日本人いてたまるか)というイメージでセントルイスの肌よりオレンジにふってます。

またシャドウも赤みの強いセントルイスに比べ、ブラウン寄りに仕上げてます。

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一番難しいのは胸の谷間だと思います。高圧で吹くと塗料が入っていかないので、可能な限りエアー圧を弱めて塗ると良いでしょう。それでも届かない場合はエナメル筆塗りでいいと思います。

 

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今回もデカール付きです。

ボウズロケットさんからの要望で公式イラストよりキツめな美女という感じで仕上げました。

貼るだけ簡単、初心者でもバッチリです!

 

今回作成のツイートにハッシュタグ「#村正大鳳制作記」をつけてますので、もっと詳しく知りたい方はそちらもどうぞ。

 

ではでは。

NIKKE-勝利の女神-よりバイパーの見本作成しました。

どうも、村正です。

新しい仕事にも慣れてきて塗り塗りする時間も捻出できるようになってきました。

本日はとなりのモケイフェスティバルが東京で行われました。第一回にのみ参加したのですが、まさかここまでのイベントになるとは思っても見ませんでした。引き続き継続していただきたいですね!

さてこのイベントにて販売したガレージキット「バイパー」(NIKKE-勝利の女神-)の塗装見本、およびデカールデータの作成を担当しました。原型は歩瀬様です。デカールがついた優しいキットです。明日はboothでの販売もあるようなので要チェック❗️

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(写真提供:difeet様)

購入された方向けに、作成にあたってのポイントを以下にまとめておきます。※今回作成中の写真を撮るのを忘れてて写真少なめですすみません……

 

1.仮組みについて

仮組みの難易度は高くありません。注意するとしたら台座に固定する左足の軸打ちとコートの固定方法の2点です。

まず左足の軸打ちですが、細かく分割されている為しっかりと軸を打たないと強度が保てません。私は脛部分のパーツを貫通させ左脚→脛当て→脛パーツ→足を一本の軸で固定させました。

次にコートですが軸が打ちにくく、軸を打ってしまうと確認で付け外しがしにくいため私は軸を打ちませんでした。代わりにコートをヒートガンで温めて幅を狭める事で上半身を挟み込むようにしました。この方法でもしっかりと支えられますし、不安な方は最終的に接着しても良いでしょう。

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2.塗装について

髪の毛

ハイライト…セールカラー:マホガニー:白=5:1:30

シャドウ…セールカラー:マホガニー=5:1

まずはハイライト色で塗った後、MGパールにてコート、その後シャドウ色で陰影をつけてます。

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GXクリアピンク:GXクリアオレンジ=1:1

結構赤身の強い肌でしたのでいつもよりピンクの比率高めです。網タイツはモールドが彫ってあるので、エナメルの白を流し込むだけで簡単です。

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ジャケット

明るめのピンクを塗ってからCCパールレッドをコート、その後GXクリアピンクでシャドウを入れてます。内側の部分についてもAGパールを使用してます。

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スカート

塗装見本ではやみふささんより提供頂いた特殊なレインボー塗料を使用しましたが、現在は入手困難だそうです。

比較的入手しやすい塗料であればマジョッコのレインボーファインが一番イメージに近いかと思います。その後クリアブラック+クリアバイオレットでシャドウを入れてます。

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シューズ

特にレシピは必要ないと思いますが、こちらには粗めの粒子のプレミアムガラスパールを使用してます。

 

トップス

白のシャドウは青紫で入れるのが一般的ですが、キャラクターのイメージカラーがピンクなのでシャドウもクリアバイオレット+クリアピンクでピンク寄りにしました。ちなみにシャドウを吐く前にLGパールをコートしてます。

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スマートフォン

塗装後にUVクリアレジンを流し込んで画面っぽく仕上げてます。

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ではでは。

 

村正式自作照明のご紹介

どうも、村正です。

凍結が解除されませぇん!!

それはさておき、ガレージキットの展示イベントが増えましたね。

展示イベントはモデラー同士の交流や、自作品をいろんな人に見てもらえるのでとても楽しいですよね。

ここでモデラーの頭を悩ませるのが照明問題かと思いますので、以前私が自作した照明の作り方をご紹介したいと思います。

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こちらの写真は部屋の明かりを消して自作照明を使ってスマホで撮った写真です。

しっかりと光量も確保できており、ちゃんと展示品を照らせているのがお分かりいただけるかと思います。

 

展示の照明の条件

まず照明を自作するにあたって、WFとかでよくフィギュアの撮影をするカメラマンの知人に「撮影しやすい照明はどんなものだったか?」と相談をしてみました。

・真上からの照明は顔に影が出来て撮りにくい、下からの照明は影が変になる、斜め前からの照明が撮りやすかった。

斜め横からの照明も比較的撮りやすかったが、照明が邪魔でアングルによっては照明が邪魔になった。

背景(背板)があると他のものが映り込まなくて良いが、プラ段とかの素材だと照明やフラッシュが反射して撮りにくいので、布など被せるとなお良い。

・LEDテープ剥き出しの照明だと影が強くでるので、ディフューザーがあると良い

・照明の種類によっては隣の卓の人がまぶしくて迷惑になるので、対策が必要。

 

この意見を受けてまずは斜め前からの照明を検討したのですが、上から照らすには枠組みをまず作らなければならず荷物が大掛かりになること、そして展示会で組み立てに時間を取られるという観点から断念しました。

そこで斜め横から照らす方式で照明を作ることにしました。

 

村正式照明の作り方

以上の要点をふまえて作ったのがこちらの照明です。

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コーナーフレームを使用しているので照らす範囲も制限でき、隣の卓に余計な光が漏れないようにしてあります。

乳白色のカバーをつけてますので、光が柔らかく回り込み影がキツく出ないようになっております。

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電動工具が無かったので金属用のノコギリで切りましたが、アルミなので簡単に切れました。

クリップで机や展示台を挟み込むだけで使用できるので設置も簡単、位置やアングル、高さも自由に変更できます。

クリップはカメラに使われてるカメラねじでしたので、金具にエポキシ接着剤で1/4インチのナットを接着してます。

ここは強度が不安なのでもうちょっと工夫が必要かなと思ってます。

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その金具にアルミバーに付属のホルダーをボルトで固定してつけ外しできるようにしてあります。

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また調光コントローラーもつけてますので、光量の調節も可能となってます。

今回はコンセント使用を前提なので、光量が多い高演色LEDを選択しました。

25cmのバーライトを4本使用するために12V3AのACアダプターを使用。

コンセントが確保できない場合は消費電力が低いLEDテープと昇圧器、モバイルバッテリーを組み合わせれば良いかと思います。

 

材料費としては4本作って1万円ぐらいでした。

ガレキが作れる人なら簡単にできる程度の工作です。

普通に照明として使い勝手もいいので家の撮影や作業でもっと明かりが欲しい時に使ってます。

ご参考になれば幸いです。

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ではでは〜

ガレージキットの作り方(表面処理編)

どうも、村正です。

軸打ちをして表面処理に入るわけですが、表面処理と聞いたらヤスリで削るというイメージを持つ方が大半じゃないでしょうか。概ねそのイメージで問題ありませんが、どういう目的で表面処理をするのかしっかりとイメージすることが大事かなと思ってます。

表面処理と一口で言っても「湯口、パーティングラインの処理」「気泡埋め」「嵌合調整」「歪み取り」と色々あります。

また電動工具や特殊形状ヤスリがあれば楽になることがありますが、今回は初心者向けということで基本的なスポンジヤスリと紙やすりを使ったやり方をご説明します。

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適切な箇所(ゾーリン)に適切な力(セラス)で適切な道具(ヘルシング本部の壁)をあてる事がヤスリがけのポイントです。

 

湯口、パーティングラインの処理

ガレージキットは複製するためにシリコンの型にレジンを流し込むわけですが、そのシリコンの通り道にできる余計な部分が「湯口」、型と型の境目にできる段ズレやバリが「パーティングライン」です。

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複製は型と型を合わせてレジンを流し込むのが基本

この不要な部分を削っていくのですが、大事なのは不要な部分を削りつつキットの造形を潰さないことです。

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脇や肩甲骨の窪みにパーティングラインが走っており、ディテールを損なわずにパーティングラインだけを削る必要がある。

では実際のやすりがけの手順ですが、私は240番400番600番でやすりがけをしています。一番最初の240番は紙やすりを使いますが、そこから状況によって紙やすりかスポンジヤスリか使い分けます。役割としては、240番紙やすり=湯口・パーティングラインの除去、240番スポンジヤスリ=面の均し、400〜600番のやすり=240番でついたやすり傷の消去といった感じで使い分けてます。

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紙ヤスリは2cmぐらいの短冊に切っておくと使いやすい。

 

ヤスリのレビューについてはこちら

 

CASE1:段ずれも小さく、ディテールが複雑でない部分

まずは240番紙やすりでパーティングラインを消していきます。240番の紙やすりは狙ったところにヤスリを当てやすいのですが、傷が大きく残ります。

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傷を恐れて400番で磨くと時間がかかる上に余計な部分が削れてしまうので、恐れずに削ろう!

そこで400番スポンジヤスリ、600番スポンジヤスリで傷を消しつつ表面を均していきます。スポンジヤスリは楽に削れてかつ曲面を出すのに優れているのですが、反面ピンポイントで削りたい部分に当てるのが苦手ですので、削りたくないディテールに当たってしまう場合は400番以降も紙やすりで対応しましょう。

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400番、600番でヤスリ傷を消していく。これより細かい傷は塗装でほぼ見えなくなる。

CASE2:段ずれが大きく、ディテールが複雑でない部分

240番紙やすりでパーティングラインを消すのは同じですが、大きく削ったためにパーティングラインの部分が平らになってしまいました。そこで240番スポンジヤスリで表面を均して曲面を復活させてやります。その後は同じく400番スポンジヤスリ、600番スポンジヤスリで傷を消していきます。

CASE3:段ずれがさらに大きかったり、抉れていたりする部分

段ずれがあるだけじゃなく、シリコン型が食い込んで抉れているようなパーティングラインも中には存在します。その場合、やすりだけではキットの形を大きく損なう為、一旦シアノンを盛ってからヤスリがけをしましょう。後の工程は上のケースと同様に削っていきます。

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シアノンは硬いので、紙やすりで処理するのがおすすめ。(理由は後述)

CASE4:ディテールが複雑な部分

他のディテールを潰さないように、ピンポイントで紙やすりだけで240番、400番、600番まで仕上げていきます。入り組んだところをヤスリがけしていくには紙やすりを折り曲げたり、当て木に添えたりして処理していきます。紙やすりはスポンジヤスリほど楽ではありませんが、使いこなすとコスパ最強の万能のヤスリへと進化しますのでおすすめです。

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プラ板をピンセットで挟んで磨けば程よくテンションがかかって奥まで磨けるぞ!

またヤスリ以外にもパーティングラインの処理にオススメな道具がたくさんありますので、興味があれば探してみてください。私のおすすめツールをまとめた記事もありますのでそちらもよければ参考にしてみてください。

気泡埋め

レジンキットには気泡がどうしても発生してしまいます。気泡の原因は流しこんだレジンに空気が混在していたり、硬化するときの発熱でレジン中の水分が蒸発して出来たりと様々です。業者複製と言われる、プロが複製するものは比較的少ない傾向にありますが、ディーラーさん自身が複製する場合はその腕次第で変わってきます。基本的にどの場合でも気泡に何かしら充填していく方法がとられます。

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気泡 \コンニチハ/

CASE1:大きい気泡(1mm以上)の場合

シンプルにシアノンを充填、硬化させてからヤスリで削っていきます。シアノンは硬化後は白くなるのでホワイトレジンによく馴染みます。またシアノンを充填する前に気泡の中に空気が残らないよう、デザインナイフや彫刻刀などで気泡の穴を広げておくのがおすすめです。

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穴を広げてシアノンモリモリ

シアノンは硬いのでスポンジヤスリで削るとレジンの方が先に削れていきます。そうすると新たな気泡が出てくる恐れがありますので、紙やすりで処理するのがおすすめです。上のパーティングラインの処理も同じ考えですね。

また中にはシアノンにベビーパウダーなどを混ぜて削りやすくする方法もありますが、ドボンした時に流れやすくなる、ベビーパウダーを混ぜることで空気が混ざって気泡ができてしまう事があるので私はやっておりません。

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さよなら気泡くん

CASE2:1mm以下の微細気泡の場合

見つけるたびにうげぇ、、、となるのがこの微細気泡くんです。ホワイトレジンだと肉眼で見え難く、塗装した瞬間にぽっこり穴が空いて気がつく厄介なやつです。とはいえ処理の方法はCASE 1と同じでえぐってシアノンで埋めます。広範囲に及ぶなら大きく丸刀で削ってしまいましょう。またシアノンの色がレジンと大きく違って見える場合は軽めサッとにアルティメットホワイトを吹きかけておくと目立たなくなります。

CASE3:塗装中(サフレス以外)に発見した微細気泡の場合

微細気泡の厄介さは、発見のしにくさにあります。バッチリ表面処理したと思っても塗装を始めてようやく発見できるみたいなことが多々あります。

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塗装すると出てくるこの厄介さ。。。

かと言って見つけるたびに塗装を落としてシアノンで埋めてたらキリがありません。ですが、実はクレヨンを使って非常に簡単に処理する方法があります。クレヨンは柔らかい素材で、ホームセンターでも車や壁の傷の補修剤としても扱われております。気泡にしっかりとすり込んで余分なクレヨンを拭い取って上から塗装してしまえばほぼ分かりません。(サフレスだと下地が見えるのであまりお勧めできません。)

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クレヨンなら気泡埋めも楽チン

この方法はキットの洗浄前にやってしまうとクレヨンも落ちてしまうため、塗装直前、もしくは塗装中に行いましょう。

またクレヨンの気泡埋めについては経年劣化などの検証が十分に行われておりません。クレヨンを使う場合は自己責任でお願いします。

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クレヨンで埋めて一年経過したが、特に変化は見られない。

CASE4:塗装中(サフレス直前)に発見した微細気泡の場合

後の記事で説明しますが、ガレージキットには塗装前にプライマーというものを塗布しますが、プライマーを塗布すると微細気泡が発見しやすくなります。サフレス塗装をする場合は下地が透けてしまうのでクレヨンが使えませんが、クリアを厚吹きしたり、爪楊枝や針でクリアをちょっと流し込んで乾燥させてやると目立たなくなります。

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ちょっと濃いめのクリアで流し込むのがコツ

上記以外にもUVパテやエポパテなどを使った方法もありますので、自分のスタイルに合った気泡埋めを模索してもよいでしょう。

嵌合調整

原型ではパーツがピッタリ嵌っていても型が劣化したり、レジンが硬化するときに収縮してしまって複製したキットではパーツに隙間ができることもあります。嵌合の隙間は最終的な見栄えに影響してきますので、ここも調整していきます。

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レジンの収縮によって鼠蹊部と脚に隙間ができている。

CASE1:隙間が小さい場合

レジンは温めると柔らかくなる特性があり、それを利用します。エンボスヒーターなどでキットとキットの合わせ目を焦げないように温めてからギュッと冷めるまで押しつけると小さい隙間ならこれだけで埋める事ができます。

エンボスヒーターがあればこんなこともできちゃう

CASE2:隙間が大きい場合

上記ではどうしても埋まらない場合はパテを盛って埋めていきます。パテの種類はなんでもいいですが、ある程度粘度があって、かつ硬化速度も早く切削性の良いUVパテがおすすめです。サフレスする場合はレジンと馴染みやすい白いUVパテ、そうじゃない場所は視認性も良い光硬化パテを愛用しています。

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黄色い光硬化パテは視認しやすい。

やり方ですが、まずパテを盛らない方のパーツにワセリン(リップクリームでも可)を塗っておき、パテがくっつかないようにします。次にパテを盛る方のパーツを400番くらいのヤスリで少し荒らしてパテの食いつきを良くさせてからUVパテを盛るのですが、UVライトが届かない部分しか固まらないため外周部にのみ盛り付けましょう。そしたらパーツを合わせてからUVライトを当てて硬化させると隙間がパテで埋まりますので、余計な部分をヤスリで削り取って整えたら終わりです。

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合わせてはみ出た部分のパテを削れば隙間はもうわからない

歪み取り

レジンは硬化するときの収縮などで歪む事があります。特に大きいパーツは顕著ですので歪みをとり必要が出てきます。小さいパーツであればエンボスヒーターで温めてしまえば良いですが、大きい場合は鍋を用意して茹でて歪みを取ったりします。この際は食べ物と別の鍋を用意しましょう。

大きいパーツは歪みを撮るだけでも大変。火傷に注意しよう。

 

表面処理は地味な作業が続きますが、大事な工程です。また一番キットの造形を観察する工程でもありますので、私はこの工程で塗装のイメージを膨らませるようにしています。

 

次回は離型剤落とし&表面処理のトラブルシューティング編です。

日焼けのアイナ・ウィンチェスター参上!

どうも、村正です。

先日我が家にネズミが侵入している事が発覚して洗濯機のホースがかじられていたりと散々な目に遭いました。ひいひい言いながらなんとか捕まえたので、これで安心して眠れそうです。

さて今回は対魔忍RPGより「[真夏の眼帯]アイナ・ウィンチェスター」(原型;魔王様)を作成しました。対魔忍じゃない対魔忍のフィギュアです。どうやらPVC完成品も出るようなので、ならば一味変えて日焼けverでやってみました。今回2体作りましたので、1体はヤフオク出品中ですので、よろしくお願いします。

 

完成写真

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作成雑記

○肌

GXクリアピンク:GXクリアオレンジ:クリアブルー=8:12:5、ディープクリアレッド

白人設定なので赤みが強い日焼け肌を目指してみました。褐色肌はとても難しいですね、10回ぐらいドボンしました。直近でゆきかぜを作って自分は褐色の経験値が圧倒的に足りないと自覚したので、今回はいい経験が積めたと思います。

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○髪の毛

クールホワイト、ミディアムブルー、純色シアン

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○水着

アルティメットホワイト、シルバーパール、クリアブラック、クリアパープル、リッチゴールド

 

○面相

マシュでやった下描きデカールを使っての面相にトライしてみました。かなり邪道なやり方ですが、個人的にこのやり方を突き詰めていきたいですね。

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ではでは。

ガレージキットの作り方(軸打ち編)

どうも、村正です。

前回に引き続きガレージキットの作り方の記事になります。

 

今回の記事から作業に入っていくわけですが、塗装の前には「軸打ち」「表面処理」「離型剤おとし」の工程が必要です。(出力品キットだとまた勝手が違いますが。)この工程の順番は前後しても良いのですが、私の場合「軸打ち」を先にして不要な部分(パーティングラインと湯口など)を見極め、「表面処理」で不要な部分を削り落とし、「離型剤を落とす」ついでにヤスリかすやごみを取るといった段階を踏んでいます。湯口だと思ったら実はディテールだった・・・なんてことはよくありますので、それもあって先に仮組をしちゃうわけです。

間違えて削ったら自作するハメに

もちろんこれはケースバイケースで、離型剤がひどくキットがベタベタな場合は離型剤を先に落としますし、キットの状態が悪くて軸打ちすらできない場合は表面処理を先にすることもあります。とりあえず今回は私が一番最初にやる軸打ちから解説したいと思います。

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軸打ちしようとしたら間違えて自分に刺しちゃったディルムッドくん

 

基本の金属線での軸打ち

プラモデルと違って、ガレージキットにはピンやダボ穴が無いのでキット単体ではパーツ同士が保持できません。そのため代わりとなる“軸”を打つことになります。つなげるパーツ同士に穴をあけて金属線を通す、イメージ的には自分でピンとダボを作る感じです。

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ダボ自体にパーツを保持する強度はあまり無い

アルミやステンレス、真鍮などが良く使われますが、加工もしやすく、重さを支えられる強度がある真鍮線が最も汎用性が高い材質です。1/8~1/6スケールのガレージキットならば基本1.5mm、台座や思いパーツを支えるには2.0 mm、軸を打つ場所が狭いなら1.0mmという形で使い分けます。使う頻度は少ないですが0.5mmと3.0mmもあると安心です。ドリルもそれに合わせて買っておきましょう、電動ドライバーがあるとかなり楽です。

 

金属線での軸打ちのやり方は人それぞれなのですが、今回は私のやり方を図で説明したいと思います。

まず片方に、軸用の穴をあけます。この段階では金属線を通しませんので金属線より小さい径のドリルでも構いません。強度的に穴の深さは5mmは欲しいところです。そして次に穴が開いてない方に粘着タックを貼り付けておきます。

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青がブルタック、赤がドリルで開けた穴

 

そのままパーツを合わせます。

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パーツを外すと粘着タックに穴の跡が付きますので、これを参考にケガキ針で目印をつければ同じ位置に穴をあけることができます。くっついて粘着タックが持ってかれる場合は、片方を水で濡らしておくとくっつきにくくなります。

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動画だとこちら。

画面には映ってませんがドヤ顔してます。

 

この目印をもとに通す軸の穴をあけるのですが、軸穴がまっすぐでないとうまく刺さりません。

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軸と受け側の穴がズレており、入りはするがパーツが浮いたりする。

そこまでズレてなければペンチで曲げて調整することも可能です。

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もう一つシアノンを使った簡単な方法をご説明します。こちらのやり方はAslanさんの動画でも述べられております。

Aslanさんは私がガレキを始めるにあたって一番参考にさせていただいた方です。

まず両方に穴をあけた段階で一方に軸を通します。もう一方の軸穴を軸より大きめのドリルで穴を広げます。(1.5mm軸なら2.0mmで開ける。)そうして大きく開けた穴にはシアノンを少し流し込みます。シアノン(正確にはシアノンDW)は、単体では硬化しづらく、硬化スプレーを吹きかけることで固まる不思議な瞬間接着剤です。硬化後は白くなるのでレジンとの相性も抜群です。

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シアノン(ピンク)を軸を挿してない方に流し込む。

 

次に軸側にのみ硬化スプレーを吹きかけ、パーツを合わせます。シアノンを入れすぎたりするとシアノンがあふれてパーツがくっつくので注意が必要です。パーツにあらかじめワセリンを塗っておいたり、ビニール(なんでもシートがおススメ)を挟んでおくとくっつきを防ぐことができます。

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しばらく待ってから外すと大きく穴をあけたほうに軸が残り、位置がしっかりと合った軸が打つことができます。軸を残すのはどちらでも構いませんが、失敗した時に凹ダボの方に軸があると抜きにくいので、凸側に残す方がベターです。

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ミスってもペンチで回すように捻れば真鍮線が外れるのでやり直しも可能です。

ここでワンポイントですが事前に金属線のシアノンへ埋め込む側にペンチなどで傷をつけておくとシアノンへの食い込みが良くなります。逆に埋め込まない方の凸側の金属線には傷をつけないようにしましょう。凸側の金側線に傷があったりバリがあると抜き差しするたびに凹側の軸穴が削れてガバガバになる恐れがあります。そうならないように、溝が無いペンチを使ったり、真鍮線の切断面をヤスリなどでバリを取ることをお勧めします。

バリ取り用のツールもあったりするが、ヤスリで十分


ダボにシアノン盛り

ダボがしっかりしているときに使える、軸を使わない軸打ちのやり方です。実際のキットのダボはレジンの収縮などを考慮して少し緩めに作られております。このままではスカスカなのですが、ダボにシアノンを点付けして硬化スプレーで硬化させることでダボだけでもしっかりとパーツを保持することができます。

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メリットとしては軸打ちが楽なこと、軸打ちが困難な角度のパーツの固定に使えます。ただし前述の通りダボがしっかりしていることが前提で、金属線での軸打ちほど汎用性が高くありません。ダボが短かったり、パーツが重くて保持できないとなったら素直に金属線で軸を打ちましょう。

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靴底が薄く軸を打つと貫通してしまう恐れがあるので、こういう所はシアノンがベスト

磁石

磁石を用いての軸打ちは、軸穴をぴったり合わせなくてもできる楽な軸打ちです。3mm直径、長さが1.5~3.0mmのネオジム磁石がよく用いられます。

磁石の軸打ちは楽!!だけど。。。

メリットとしては軸打ちも楽で、塗装時に色味の確認をするための仮組もしやすく重宝します。ですが強度的にかなりの不安があり、組み立て時にパーツがぽろぽろこぼれてしまうため多用するのは避けたほうが良いでしょう。私は面相時に何度も付け外しする前髪や、キャストオフパーツなどに使用することがあります。

磁石で横着して泣きを見る哀れな男の図

ちなみによくある失敗が、S極とN極を入れ間違う事ですが、エンボスヒータやパーツをゆでてレジンを柔らかくすると抜けやすくなります。(エンボスヒーターはこの後の表面処理で大活躍するので持っておいて損はありません。)失敗した時のことを考えて磁石は接着剤で固定しない、ゆるくて抜けてしまう場合でもほんの少しだけしか接着剤をつけないように心がけてます。

 

接着剤

パーツ自体が細く、上記の手段が取れない場合の最終手段です。とはいえ塗装前にくっつけてしまうと塗装が大変なので、塗装が終わって最後に接着することになります。強度が必要なものはエポキシ接着剤で、そうでないものは白化しずらい瞬間接着剤で固定するとよいでしょう。接着剤の中には塗装を溶かしてしまうものもありますので、そこは注意が必要です。

 

また軽いパーツならば、両面テープといった粘着性のあるもので固定するのもアリです。ピットマルチ2は糊の一種で、塗ってそのまま乾燥させると両面テープのように変化します。塗膜への影響も少なく、一本持っておいて損はないと思います。

ドレスの肩紐は薄いので軸うちができず、肌に接着剤を塗るのはリスクが高いため、ピットマルチ2を使用

 

台座への軸打ち

台座への軸打ちはフィギュア全体を支える部分ですので、他の部分への軸打ちに比べてとても重要です。ここが曲がってしまうとどんなにかっこいいキットでも台無しです。とはいえ基本的にやり方は一緒です。真鍮線は2.0mm以上、アクリル台座は少なくとも0.5mm、アクロバティックなポーズだと1cmは欲しいです。軸の長さもできる限り長めにして重みに負けないようにしっかり固定します。できる限り垂直に打つのが望ましいので、ボール盤があれば最高ですが、なかなか場所を取るため私も持ってません。気合を入れてなるべくまっすぐになるように軸を打ちましょう。

また注意点としては足で台座への角度を決めるのではなく、顔まで組み上げてから軸を打ちましょう。顔の向きが軸を打つ基準となります。

足だけで台座の軸打ちをするとこんなことに。

 

早速2回目の記事から長くなってしまいましたが、いかがだったでしょうか?

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これでもう軸打ちは怖くないね、ディルムッドくん

 

次回は表面処理の予定ですので、お楽しみに。